2012年5月に入って間もなく「カナダのBC州にハーレーが流れ着いたそうです」と、ラファティ先生から連絡をもらった。日本のニュースでも報道されたので、知っている人も多いと思う。ラファティ先生の住いはBC州バンクーバーなので、逸早くニュースで知ったと云うわけだ。そのバイクは「東日本大震災の津波」で海へ流され、6500キロ漂流してカナダへ着岸したのだ。ところで2012年はハーレーが日本へ上陸して99年目、今年2013年は日本上陸100年になる。ハーレー社では「日本上陸100年記念モデル」を100台限定で日本市場へ持込んだ。
琵琶湖には「比良の八荒」と云う昔話がある。修行僧に恋をした優しい村娘お光は、僧から「私は比良へ帰り堅田の満月寺で百日修行をする。その百日の間毎夜、湖を渡って私の下へ通い修めることが出来たなら、おまえと夫婦になる」と言われた。お光はタライ舟を漕いで100回の背拝願を立て、如何なる天候にもめげず度を重ねた。ところが僧は(普通の人間にこんなことが出来るはずはない)と、お光を怖がって100日目になって浮見堂の灯明を消してしまう。目印を失ったタライ舟は、お光を乗せて水に呑まれてしまう。
カナダへ流れ着いたハーレーの話を聞いた時、私は「比良の八荒」を思い出した。単なる数合わせと思われるかもしれないが、世界規模に「比良の八荒で表されているような因縁」があったとしたら、その「お光」が「堅田ならぬカナダ」へ辿り着いた。のだと私は思いたいのだ。
写真の英文は「ハーレー社創始者」の孫さんのサイン。日本上陸100年記念モデルのロゴは日の丸がイメージだ。
|