天会脚之快感(てんえかくのかいかん) 近年は自由奔放に生きる女性が沢山いる。恐い時もあるが麗しいことだ。
一日24時間の内、睡眠は6時間が好ましい。体質によって6時間以上の者もいる。稀には6時間以下の人もいる。本人は6時間以上寝たいが環境が許さぬに6時間以下になる人がいる。それは多分、前世で怠けたからだろう。自分は6時間以上の睡眠を取りたいが、環境が許さぬに6時間ぐらいになれば幸せ者だ。魂の働きが逞(たくま)しいに違いない。太古の人は魂の四様に忠実で和魂(にぎみたま)を求めた。一日を四分して、その一分を睡眠に当てたのだ。
日本の歴史で鎌倉時代、芳雅と云う女が居て女仙になった。芳雅には、弟子と認めた者が24人いた。芳雅は女仙の師になれたのだから弟子は女ばかりのはずだが、男が一人いた。その男は11歳で芳雅と知合って12歳の誕生日に弟子入りしたのだ。師からは省架(せいか)と呼ばれた。省架が弟子に認められた日、省架が師に聞いた。「仙経とは、どの様なものなのですか」師は笑みを浮かべて衣を脱ぎ省架に裸体を見せた。「吾の法は女仙経なるに、先ずは吾を観よ。おまえ立ったまま陽を股間に集めて、そのままで出せるか。やってみるがよい。摩羅に手を触れてはならぬ」
省架の成長は精液放出が可能なところまできていた。そして麗しい師の裸体は勃起するには充分な体印ではあった。しかし直立での射精は難しい。七度目の修行では射精直前まで行った。十一度目の修行では滲み出る汁があった。十六度目、師は「吾の股(もも)を見つめて意を凝らしてみよ」と言われた。省架の陰茎は硬直して小刻みな痙攣を繰返すばかりだった。廿二度目、師は背を向けて立たれた。やや尻を突き出して脚は両肩よりも広く開き、内三に揃えた左右の指を後頸に当てて(注二)陽気を周天された。省架の目線は自然と師の後頸に固まり、股に力が込められ射精が叶った。すると芳雅は前を向かれ微笑んで言われた。「おまえは天会脚を会得したんに。これ女には容易いが男には難儀なものでの。この後は三刻(注一)寝るがよい。和魂に会えるなんせ」
(注一)一刻が2時間なので、三刻は6時間。 (注二)原文では「頚を軽く成すに刃会に戸返を立てて左右を誘う」と表現されている。刃会とは頸の部分。掲載写真を参照。
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