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2014/03/28(Fri)  三蔵フライデー「小説論談考」(001)  

本稿で云う「論談」とは、私的用語(注一)である。論は導士が考えた論説のことであり、談は知識を述べたもの。分かりやすく云えば「気楽に語るのが談」だと思っていただければ良い。
(イキナリ何の話ですか)と思われる諸氏多きと察するが、許容して御付き合い願えれば幸いである。

師を質問責めにした十八歳(注二)の頃、伝承された文献だと云うものを読んでいると「・・・論」と「・・・談」の二種が主だった。師に「これは何が違うのですか」と聞くと「感じが違うやろ」と返ってきた。思わず僕は「え!」と驚いた。その様子を見て、師は大笑いした。「おまえ頭が良いのか神経質なのか、論談の違いが気にかかるのじゃな。一応云うとな、論は導士が責任を持って話す内容や。談は噂話みたいなもんや」
更に僕は驚いた。(うわさ話みたいなもん?変や!)

何を(変や!)と思ったかと云うと、師が噂話だと称する「・・・談」が非常に科学的で説得力のある内容だったからだ。学派文献の根幹だと聞いたものが「五相界略談」と云う文章だし、九二代導士が心血を注いだ学派伝承の集大成が「無始神相伝法談」だ。それが、簡易な表現が学派の特徴だと気付いたのは30代になってからのことだった。

ところで本稿では「小説女仙経」のように小説を付した題材を語っている。もちろん一般で云う「小説」の意味なのだが、私としては「最も真面目に書いている文章」に「小説・・・」としているのだ。

今後、その言訳を「小説論談考」で語って行こうと思う。
写真は猫がテーマだが、最も真面目に撮ったものだ。

(注一)神相学派が身勝手に使用している造語である。
(注二)私は今年に還暦なので四十年以上も昔の話だ。



2014/07/25(Fri)  三蔵フライデー「小説論談考」(002)  

(001)で紹介した「五相界略談」についてフランスとオーストラリアの友人から要望があった。「五相界略談の全文を掲載してください」と云うものだ。それで今回はその要望を受け入れて、全文を掲載することにした。ところで写真は再び猫が写っているが、主役は大日如来である。

(今回も何の話ですか)と思われる諸氏多きと察するが、許容して御付き合い願えれば幸いである。

・・・・・五相界略談・・・・・

【無始通界段】直霊連接を前提にした通界。『天地生誕ノ因果ハ第一神相法界ヲ始元ト成シ、第二神相法界ニ虚実ノ相ヲ得ル』
【大意初通段】宇宙の大意を知って流決するための通虚空界。『第三神相法界ニ至リテ、疏密ヲ以ッテ相ヲ現ワス』
【常立通神段】人にとっての第四親神の通居処。『第四神相法界ハ第二虚実ノ相ヲ主ト成シ第三疏密ノ相ヲ以ッテ従ト成ス』
【変象五在段】第五住者として、人の居処を通界。『第五神相法界ハ第三疏密ノ相ヲ以ッテ主ト成シ第二虚実ノ相ヲ従ト成ス』
【天地通界段】第五住者からの四五通法嚆矢。『天地ニ分別アレバ第五ニ於テ論ズ。疏ヲ天ト呼ビ、密ヲ地ト知ル。密アルガ故ニ疏アルガ如ク地アルガ故ニ天アリ』
【隣景初通段】尊霊界との通触を円滑ならしめる流決作業。学派としての星神通法を大衆に分与することが可能になった。『導士問ウ、時ニ五十五ナリ。「世人、神ト呼ブニ類アレド、神相ノ理ヲ以ッテ神ノ居所ヲ定メルニ何処ヤ」法士二代、時ヲ越エテ曰ク「第四神相法界ナリ。第四ノ界ハ虚実ヲ主ト成シ疏密従ナルガ故ニ変現自在ナリ。五輪ヲ以ッテ静ナレバ動ニ変ズレバ即チ竜身トナル。是レ世人ノ居所第五ノ上ニアリテ神仏ノ居所ナリ」導士五十五、言ヲ悟リテ思惟ス。一刻ヲ分チテ再ビ自問ス「吾人ノ身ハ変現自在ナラズ、縛ヲ以ッテ常トナス何法ニヨリテヤ解縛スルヲ得ル」法士初代ノ光明、時ヲ変ジテ語ル「現界ト称ス第五ノ理ハ疏密ヲ主ト成シ虚実ヲ従ト成スガ故ニ身ノ縛ヲ以ッテ相ヲ現ワス。五輪ノ調和ヲ旨トナシ不調和ニヨリテ滅ス。若シ法アリテ従ヲ強呼スレバ現界ニアリテ変現自在ヲ得ル。タダ第五ノ理ニ反スルコト難シ。故ニ飛行自在、一日万里行ヲ主トナシ身ノ変現ハ従ノ化現ト知ルベシ。知ラザレバ、虚ノ相ハ乱レ未来ト過去ニ流浪ス。虚ヲ以ッテ時ノ導師ト知ルガ故ナリ。コノ理、第五ハ密ノ動ヲ疏ニ対シ知ルヲ時ト成シ、第四ハ実ノ動ヲ虚ニ対シテ知ルヲ疏ト成スヲ得ル。』
【息暦通室段】時刻流決を確定し、星神通法を細分する。『第五ハ疏ヲ天ト呼ブガ故ニ地ハ天ニアリテ時ヲ刻ム。吾人見ルニ、地ノ動ヲ探リテ時ヲ知ル、時ヲ知ルガ故ニ、虚ヲ得ル。虚、即ワチ時ヲ司ル法、アルガ為ナリ」』
【萬象通様段】第五から観測した萬象を知覚して、目的から違わない通法を実現する為の智拳を持つ。『導師サラニ問ウ「幽現ノ鬼神、何故ニ在スルヤ。界ヲ別チテ五相ナレバ、幽相ノ界アルヤ否ヤ。我、行中ニ知ル事アリ。幽相ノ身アルモ縛ヲ受クコノ五輪ヲ離レズ、然レド時ヲ得テ解縛ス。念、五輪ヲ離レテ遊行ス。初ハ第五ニアリテ山河ヲ巡ルモ後ハ六道ノ界ヲ見ル、サラニ十界ニ至レリ。何故ナル法ニヨリテ幽身ノ遊行アルヤ」法士三代ノ智拳、答エテ曰ク「太古当地ノ第五ハ第四ノ直下ニ通ジテ純徳ヲ具セリ虚ノ刻ミハ 当地ヲ組セントス先ズ第四ノ策ニヨリテ第五ノ神生ズ、世人知ル萬象ナリ第五ノ神、ソノ主ヲ称シテ人ト呼ブ第五ノ神、第四ノ実ヲ直霊トス、コレ魂ト称ス』
【携神通界段】この段には第六創世理が含まれている。『魂ニ類アリ第四ノ神ノ類、即チ是レナリ人、第四ノ造素内含スルガ故ニ時ノ虚勢ニヨリテ念積ヲ生ズ。第五ノ心ニテ念積スレバ生霊ヲ生ズ。是、五在変象ノ念積ナリ。第四造素ニヨリテ念積スレバ幽相ヲ生ズ。是、四五通法ノ念積ナリ。生霊ハ機ニ応ジテ与影シ幽相ハ、造素アルガ故ニ界ヲ成立ス。幽相ノ界、過去第五神ノ念積ニヨリテ多数現出ス』
【儀軌通発心】念積様を知って式法を築く。『人ノ念積ニ類アリ。分別シテ善悪、醜美ヲ競ウ。コレ亡者ノ類ノ流決ナリ。善悪ノ因ハ第四ニアリテ神仏ノ示シ、故ニ幽ノ鬼神ハ第四ノ神ノ念積ニシテ、幽相ノ界現出ノ後、ソノ住者トナル。幽相ノ身トハ魂ニ符シ在ル念積ナリ、自我、即チ是レナリ。若シ、五在変象ヲ以ッテ解縛スレバ是身動カズシテ五官山河ヲ巡ル。他所ノ景、眼前ナリ。若シ、四五通法ヲ以ッテ解縛スレバ六道十界ノ幽相界ノミナラズ有縁ノ第四神相法界ニ遊ブ。神仏ト語ルモ可ナリ。是、汝幽身ノ遊行ト称セシ法ナリ」法士三代、法ヲ説キテ去ル。』
【分別通神鬼】五感による通異界の護法を分別する。境界に通じて結界機序の教導を行う。『時ニ見士アリ導士五十五ニ問ウテ曰ク「我、亡者ハ身ナキヲ知ルモ他者ノ身ニ寄セテ語ルヲ聞ク。幽相ノ界ノ住者、語ルコトアルヤ否ヤ」導士答ウ「幽相ニ大別シテ二相アリ。軽念ノ念積ニヨルモノ。重念ノ念積ニヨルモノ。軽念トハ縛力ノ柔ナルガ故ノ名ナリ。重念トハ縛力ノ剛ナルガ故ノ名ナリ。軽念ニヨルヲ霊界ト名ヅケ重念ニヨルヲ幽界ト名ヅク。幽相ト幽界、混同スルナカレ。幽相ハ霊幽両界ヲ含ム相ナリ。重念極ムレバ地ヲ動ケズ、現界ニ有リテ幽界ノ住者ニナレズ、世ニ伝ウ幽霊是レナリ。人有リテ自我仰エレバ他界ノ住者、言ヲ発スル事アリ。他界トハ、第四神相法界幽相界。縁ニヨリテ住者語ル。時ニ神仏語ルコトモアルモ希ナリ。多クハ幽霊ナリ、善根ニヨリテ縁ヲ得ルベシ。自然ニ語ルハ学ブコトアルモ、聞カント欲セバ鬼神招クヲ常トス。心シテ行ズベシ」』
【符文通界段】教導式法を合わせ、三門の一法を与える。『五相ノ各界ノ由来ハ神相策ニ見ル。略談ハ法士上中ノ代ト通ゼンガ為ナリ。霊界ノ詳細ヲ知ラント発セバ霊人招来記ニヨルベシ。幽界ノ詳細ヲ知ラント発セバ重縛剛柔談ニヨルベシ。解縛ノ行法ヲ知ラント発セバ遊魂行法論ニヨルベシ。若シ、鬼人来タリテ障レバ国祖符秘録ニヨルベシ。神相ノ理ヲ学ブニ明ヲ求ムレバ略談ヲ書シ、埋土スベシ。有縁ノ大徳ヨリ加持ヲ受クルハソノ言論ヲ書シ、埋土スベシ。タトエ他法一切知ラズトモ、コノ略談ニ縁アレバ法士勝徳ノ法縁アリ。難ニシテ意ハ解セズトモ心空シクシテ通読スレバ、今時、如何ナル逆境ニ住セシモ必ズ光明ニ導カレルヲ得ル。』



2014/08/02(Sat)  三蔵フライデー「小説論談考」(003)  

(002)で掲載した「五相界略談」には、本文以外の分段解説が付いている。正式名は「五相通界分段」略談の解題符文である。『 』内が略談の本文だ。
初めて略談を世に出したのは、以前にも紹介(注一)した拙著「霊界からのメッセージ」巻末資料としてだった。

先日(注二)友人から「三蔵フライデーは月光寺中傷事件が原因で始まりましたよね。我々は色んな話題があって楽しんでいますが、本来の目的は大丈夫ですか」と聞かれた。その友人には「準備は着実に進めている。時期を見て動き出すことになっている」と答えたが、実際には準備は完全に終了している。

その活動には月光寺の内部整備も含まれいる。特に宗教法人規則の内容を再吟味した。そして、規則の中で最も重要な「信徒を教化育成する拠所」を何に求めているかの部分に論談考が出てくるのだ。
今回は詳しく述べないが、宗教法人規則から月光寺を知ってもらうために本稿があると考えてもらえればよい。

進むべき軌道を再点検する。これが今現在の作業だ。写真はバンクーバー市内「道のパターンが変わった」と云う情報板。交通事情によって車通行不可の道を設けたようだ。今まで御馴染みだった道が(車では)通れなくなった。

(注一)2012年09月28日 三蔵フライデー「霊能者談義」(006)
(注二)2014年07月28日 アルゼンチン在住の友人から。



2015/01/23(Fri)  三蔵フライデー「小説論談考」(004)  

オッサンの写真で申し訳ありません。
「三蔵フライデーを書いているエロ坊主はどんなヤツだ」と思われる方もあろうかと察しての掲載です。実はそんな理由を掲げて、たまには自分の肖像を見てもらう機会を狙っているのです。

ところで今回の本意ですが、五相方論と云う私文書の掲載です。今までは出版もしていないので、これから流布していくことにします。興味のない人が殆どだと思われますが御了承ください。
先ずは序文からです。

五相方論-01「立論之序」

無始なるは談を外れるも、五相は一から始まりて陽を起こす。
陽は内陰を用源として顕れ、斜陽を法として時之序を表す。論じるは考証を重んじ、談を広げては結符を求めるが声也。四は十歩大限を観るも、五は一歩斗君を見る。依るに文書を作りて一見の符文に仕立てれば、四五通法の意識は自ずから顕れると願う。

導士十六が云うに「第六を眺めては悟り、理を想えば即ち上より当地に下る。胎幼童奮は紳射軆龍を齎し、我が無になれば事の始まりは観得ず。我ら重縛に翻弄されるも軈ては和み、意を含みて行動成せば命顕れて胎児は育生を求める故。育生叶いて上下に呼応すれば幼は八方に這う。其れ、時之序と成らん。長らくの行動は童に成りて、親を知って何かを想う。想えば修学に似て一二を慕い、沈思熟考に入りては奮を興す。機序は三を象りて我が想うに、即ち四が現れる成り鳴りて行く道也。胎幼童奮を親処に譬えれば、積帯をして人なる生に写す。紳流縛は正に第五人型にして魄が働けば射象に顕れ、四魂を受けては四方に動く。是れ龍體を造る道理なれば十方巡りて和を合わせる。八方は水火を佇み上下を昇降すれば神域を巡る。象は全てを与景すると知れば、五相感触は我ら内外の景に含む。慎んで観るを要す」是学識を担うも世を眺める極意なれば、神相は自然に論を立てる也。

[読み]無始(むし)潜在しているものが活動を始める以前の状態・用源(ようげん)活動の源・斜陽(しゃよう)広がり伝播して行くこと・時之序(ときのじょ)ここでは時間の流れ・十歩大限(じっぽたいげん)十年を見渡す視野・一歩斗君(いっぽとくん)一年四季の体感視野・符文(ふぶん)生を写した文、或いは図表・胎幼童奮紳射軆龍(たいようどうふんしんやくたいりゅう)式神の発生から成長の八段階、式之八神相・魄(はく)幸魂と荒魂の働き・



2015/03/06(Fri)  三蔵フライデー「小説論談考」(005)  

仏教等の普遍宗教経典は大学の図書館で閲覧できる。或いは一般購入可能なものも多い。しかし私文蔵は公開される機会が少ない。それで今回は、私文書掲載の場を頂くことにする。御了承願いたい。

宗教法人「月光寺規則」として認証されている所依経典「五相方論」の冒頭部分「立願之序」だ。
今まで出版前例もないので、これが月光寺信徒さんにとっても初見だ。

ところで五相方論の内容は堅苦しくはない。小説女仙経で説かれる老化関数や飛行法等の出典文を含有している。しかし身勝手な文体なので面白いとは言えないだろう。もし興味があれば、たとえ意味を理解出来なくても朗読してもらえれば有難い。大部分の方は文に感心がないはずなので、掲載写真のみを観ていただければ幸いである。

2014年10月10日、一年以上も行方不明だった腕時計が見付かって喜ぶ蛍メニス。自分の時を取り戻したようだ。

五相方論-02「立願之序」

明暗を知るは天照の恵みなれど、陽陰(注一)は室分の開閉也。陽は室分を立て、陰は星個を護る。輝闇を会得して暦法を編み、第五に変象すれば即ち細分が叶う。暦之星霜は人に結束し、頂體(注二)を観ては流決を成す。陽陰之陰を基にして星霜を歩み、陽陰之陽を建てては第四政之因果(注三)が下る。我地は推古帝(注四)を観て星個を始め、四五通法は自ずから動いた。遁甲に倣っては追逃の位を下し、故に方論を熟考しては其の様を暴く。
此処に五相を鑑みて方を見極め、三鞍乗法を遂行して止まぬ。願わくば天地呼応して十六(注五)を納め給え。

(注一)陽陰と記述する場合は天体としての太陽と月。
(注二)ある社会で中心になる者。ここでは天皇を指す。
(注三)神界での政治動向がもたらす因果。写本則与景。
(注四)正史では最初の女帝とされている。引月頂體女。
(注五)菊御門で象徴される十六方位。十六執政界与景符。



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